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銀河に吹く宇宙線の「風」:

図1は宇宙線の強度を,飛来方向の赤経(横軸)・ 赤緯(縦軸) の関数としてカラー・マップで示したも のです。赤色が宇宙線が多く飛来する方向,青色が 少なく飛来する方向を表しています。この図で観測 された宇宙線は,1. で述べた宇宙線より100 倍もエ ネルギーが高く,太陽活動の影響をほとんど受けま せん。したがって,この図の「宇宙線の風」は太陽 近傍の銀河磁場の構造が原因で作られていると考え られています。しかし,太陽近傍の銀河磁場の様子 は,まだほとんど知られていません。我々は,図2 のような宇宙線観測結果が,その様子を知る手がか りを与えてくれると考えています。

CR sky map

図1:高エネルギー宇宙線で観測された宇宙線の「風」。 銀河で吹く「風」と考えられている。

図2 の観測データは,共同研究を行っている東京大学宇宙線研究所を中 心とする研究グループ が,チベット高原に設置した空気シャワーアレイという 観測装置で観測したものです。この装置は,同じエネルギー領域の宇宙線を 世界最高の精度で観測することが出来,今後の研究の発展が期待されています。

Tibet AS array

図2:チベット高原(標高4300m)に設置された空気シャワーアレイ。

チベット空気シャワー実験の詳細は東京大学宇宙線研究所のページにあります。